福岡県警は19日までに、北九州市小倉北区で2011年、建設会社「博新建設」会長内納敏博さん=当時(72)=が射殺された事件で、特定危険指定暴力団・工藤會理事長補佐で「瓜田組」組長・瓜田太被告(53)や、工藤會系「田中組」若頭・田口義高(51)被告ら12人を殺人などの疑いで逮捕した。大半は工藤會トップ、野村悟被告(70)=殺人罪などで起訴=の出身母体の二次団体「田中組」に所属しており、県警は野村被告の関与の有無を調べる。
福岡県警察本部
逮捕容疑は共謀し、2011年11月26日午後9時すぎ、内納さんの自宅前で内納さんの首を拳銃で撃ち、殺害した疑い。県警は認否を明らかにしていないが、複数の容疑者が事件への関与を認めているという。
内納さんは大相撲ファンで同年11月の九州場所もたびたび観戦していて、14日目となる事件当日では、升席に座る姿がテレビに映っていた。内納さんは型枠工事の会社を営み、大手ゼネコンからの仕事を下請け業者に割り振る業界のリーダー的な存在で、事件当時、暴力団排除運動にも取り組んでいた。
県警は19日の記者会見で「工藤會が縄張り内の建設業の利権を守るため、見せしめとして行われた殺害だ」と強調。工藤會トップの野村悟被告ら最高幹部の関与についても捜査する意向を明らかにした。
県警は2014年9月から工藤會の「壊滅作戦」に着手。中枢幹部らの摘発を進めており、野村被告はこれまでに計6回起訴されている。