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工藤會による市民襲撃4事件 総裁と会長の第2回公判で元組員が実態を証言

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 福岡地裁(足立勉裁判長)で28日、特定危険指定暴力団工藤会が関与したとされる市民襲撃4事件で、殺人などの罪に問われた同会トップで総裁の野村悟被告(72)とナンバー2の会長、田上不美夫被告(63)の第2回公判があった。

左:野村悟被告-右:田上不美夫被告

左:野村悟被告 右:田上不美夫被告

 検察側証人として工藤会元組員2人が出廷し、野村被告を頂点とした厳格な上下関係や、襲撃事件で服役した実行犯への「功労金」とみられる仕送りの実態を証言、証人尋問は、別室から音声と映像を届けるビデオリンク方式で行われた。

 工藤会ナンバー3で理事長の菊地敬吾被告(47)=組織犯罪処罰法違反などの罪で起訴=の身の回りの世話を担当していた元組員は、野村、田上両被告宅への毎朝のあいさつ回りについて証言。野村被告宅の廊下には菊地被告を含めた幹部らが正座で並び「おはようございます」と手を付いて頭を下げていたという。田上被告は正座の列には加わっておらず、ナンバー2の特別な立場をうかがわせた。

 続いて、工藤会最大の2次団体「田中組」の経理担当だった元組員が質問に答えた。毎月、運営費や飲食店のみかじめ料などを組員から集め、経費を差し引いて菊地被告のかばんに入れていたとし、1998年の元漁協組合長射殺事件では、服役中の実行犯=無期懲役が確定=に現金100万円を差し入れたほか、実行犯の家族にも毎月5万円の仕送りをしていたという。

 元組員2人は今回の証言について「ためらいや怖いという思いもあった」「世話になったのに申し訳ない」とも述べながら、1人は「亡くなった被害者のために話そうと思った」と涙を見せた。

 両被告は元漁協組合長射殺など計4事件で起訴されたが、いずれも関与を否定、無罪を主張している。

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