北九州市の建設会社会長射殺など5つの事件に関与 工藤會系「田中組」幹部に懲役30年の判決

◀◀関連記事▶▶

　福岡地裁（伊藤寛樹裁判長）は１８日、北九州市で２０１１年に建設会社の会長射殺事件など、特定危険指定暴力団・工藤會が主導したとされる５つの事件で、殺人罪などに問われた工藤會系「六代目田中組」幹部・洲崎秀輝被告（５５）に対し、懲役３０年（求刑・無期懲役）の判決を言い渡した。

福岡地方裁判所

　洲崎被告は２０１１年、建設会社会長だった内納敏博さん（当時７２）を北九州市小倉北区の自宅で待ち伏せし、拳銃で射殺したほか、暴追運動を行う自治会長の自宅襲撃、２０１３年に福岡市博多区でクリニックの女性看護師が刃物で切りつけられた事件など５つの事件で殺人罪などで起訴されていた。

　福岡地裁は判決で、「拳銃発射や刃物によって ６人に被害がおよび、うち１人は死亡した悪質な犯行。被告は実行犯またはその補佐役などとして積極的に関与した」と指摘した。

　一方で、５つの事件のうち２０１３年に工藤會トップの野村悟被告が通っていたクリニックの女性看護師が刃物で襲われた事件については、洲崎被告が当日、野村被告の自宅の警護にあたっていたことから「被告に任務の分担があったとの認識には至らない」として無罪とした。