前橋地裁(小川賢司裁判長)で17日、2021年3月に群馬県伊勢崎市本町の路上で暴力団組員同士が乱闘となり、特定抗争指定暴力団・六代目山口組傘下組長らが撃たれるなどして重傷を負った事件で、殺人未遂などの罪に問われた前橋市の指定暴力団・稲川会系「三代目前橋一家」幹部・上原淳被告(56)の裁判員裁判の初公判が開かれ、上原被告は「一切していない」として起訴内容を否認した。
前橋地方裁判所
検察側は冒頭陳述で、上原被告は同じ稲川会系関係者の交際相手を巡るトラブルから、相手方との話し合いが決裂した後、場所を移して抗争する旨の挑発をしたと説明。相手方の応援要請で仲裁に訪れた六代目山口組系三代目弘道会傘下「野内組」幹部で「二代目栗山組」組長(当時48)と、息子の栗山組関係者(当時27)に向けて至近距離から2発を発砲し、栗山組組長の肩と組長の息子の顎に命中させ、殺意が認められるとして「繁華街の路上での犯行で危険かつ悪質」と指摘した。
弁護側は、上原被告が相手方と話し合うため現場に向かうと大勢に取り囲まれ、殴られたと主張。護身用のモデルガンを持っていたが、発砲したことについては「所持も発射もしていない」と無罪を訴えた。