福岡地裁(神原浩裁判長)で9日、北九州市小倉北区で2012年、暴力団の入店を禁じる「標章」を掲げたスナックの女性経営者らが切り付けられた事件などで、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)や傷害などの罪に問われた特定危険指定暴力団・工藤會系「五代目田中組」幹部・田口義高(55)、同・中西正雄(54)両被告の初公判があり、ともに女性経営者の事件について無罪を主張した。
福岡高等裁判所
冒頭陳述で検察側は、入店拒否された工藤會工藤会ナンバー3で理事長・菊地敬吾被告(48)=同法違反などの罪で起訴=が威力を誇示するため、組員に女性経営者襲撃を指示したと指摘。田口被告は犯行用の盗難車を組員に準備させるなどし、中西被告は被害者の行動確認を担ったとした。
田口被告は「共謀の事実はない」、中西被告は「一切関与してない」と述べた。
起訴状によると、両被告は菊地被告の命令に基づき共謀して2012年9月、タクシーを降りた女性=当時(35)=らを刃物で切り付け、殺害しようとしたなどとされる。