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警視庁暴力団対策課は29日までに、大手焼き鳥チェーン「鳥貴族」の系列店を装って客引きをし、自分たちの店に連れ込むなど業務を妨害したとして、いずれも準暴力団・チャイニーズドラゴン(怒羅権)関係者・高橋謙治容疑者(58)=東京都豊島区西巣鴨2=と、張鵬容疑者(47)=中国籍・新宿区下落合3=ら客引きグループメンバーの男女計15人を偽計業務妨害容疑で逮捕した。同課は容疑者らの認否を明らかにしていない。
警視庁本部
このグループは2023年3月と8月、歌舞伎町の路上で大手焼き鳥チェーンの「鳥貴族」を訪れようとした男性らに、「混んでいるのですぐに入れない。系列店を紹介する」などとウソを言い、高橋容疑者らが運営する居酒屋「とりみち」や「とりきち酒場」の2店舗に勧誘した疑いが持たれている。客引きグループのメンバーは小型無線機「インカム」を使って空席状況を問い合わせるふりをしたり、鳥貴族のロゴが入ったボードを見せたりして客を信用させていた。
高橋容疑らが運営する飲食店は、割高な飲食代金を支払わされたという「ぼったくり被害」の通報が相次いでいて、店名は頻繁に変えていたという。SNSなどでも「ぼったくり被害に遭った」という投稿が多く見られ、店内のレジ横には「店内撮影禁止」「撮影が発覚した場合、1万円いただきます」と張り紙があり、「飲み放題1200円」と勧誘しながら、3980円を請求するなどしていたという。友人と一緒にいるところを声をかけられた女性会社員が「鳥貴族は1時間待ち」と言われ、案内された同店で焼き鳥の盛り合わせと塩キャベツを注文し15分間で1万円8000以上を払わされた被害もあるという。
鳥貴族では、客引き行為を一切行っていない。一部の鳥貴族の店舗では「系列店を装った悪質な客引きにご注意ください」と注意喚起していた。
このグループは歌舞伎町最大の客引き集団とみられ、常時20~30人が所属していたという。同課は背景に組織の関与があるとみて、詳しい実態を調べている。