福岡地裁で20日、北九州市で2011年に建設会社の会長射殺事件など、特定危険指定暴力団・工藤會が主導したとされる5つの市民襲撃事件に関与した罪に問われている、工藤會系「五代目田中組」幹部・洲崎秀輝被告(54)の裁判が開かれ、検察側は論告求刑で「市民が標的となる事件を二度と発生させないためにも、厳罰が必要だ」として無期懲役を求刑した。
福岡地方裁判所
洲崎被告は2011年、北九州市小倉北区で建設会社会長・内納敏博さん(当時72)が射殺された事件や、2013年に福岡市博多区で女性看護師が刃物で切りつけられた事件など、5つの市民襲撃事件に関わったとして、殺人罪などに問われている。
これまでの裁判で、洲崎被告は4つの事件について黙秘し、女性看護師を切りつけた事件については「関わっていない」と述べ、いずれの事件も無罪を主張している。
論告求刑で検察側は、「建設会社会長の射殺事件では、実行犯を乗せたバイクの運転手をするなど、必要不可欠な役割を果たしていて被告の刑事責任は重い。市民が標的となる事件を2度と発生させないためにも、厳罰をもって臨み、犯行が割に合わないことを知らしめる必要がある」として無期懲役を求刑した。
次回の裁判は10月19日に開かれ、弁護側の最終弁論などが行われて結審する予定。