26日午後9時ごろ、北九州市小倉北区妙見で男性が銃撃される事件が発生した。撃たれたのは建設会社「博新建設」で会長職を務める内納敏博さん(72)。内納さんは北九州市内の病院に緊急搬送されたが死亡が確認された。内納さんは大相撲観戦などから帰宅した午後9時ごろに、バイクに乗った2人組に複数発を発砲されたという。
内納さんが射殺された現場-北九州市小倉北区妙見
博新建設は型枠大工工事業を手掛ける建設業者で、大林組など大手建設会社の下請工事を中心に事業を展開し、北九州地区の建設業界では高い知名度を誇る。また、同社の会長は、北九州地区の専門工事業者(下請工事業者)の顔役的な存在として知られていた。
近年は、日本建設大工工事業協会の副理事長兼九州支部長や福岡県建設専門工事業団体連合会副会長などを務め、行政機関と連携して専門工事業者の地位向上や業界環境の改善などに取り組んでいた。
2007年11月には佐賀県武雄市で、入院中の男性が暴力団関係者と間違われて射殺される事件が発生。北九州市小倉北区では今年2月、大手ゼネコンの工事現場事務所で男が男性社員に向け発砲、社員が腹部に軽傷を負う事件が発生している。
今年の福岡県内の発砲事件は今回で18件と全国最多。うち9件は建設、土木などの業者が狙われていて、背景には工事をめぐる利権がある。建設業者などに求める“あいさつ料”は暴力団の有力な資金源。フロント企業を工事の下請けに入れるよう要求し、工事金額の数%が暴力団に要求されるという。