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大阪地裁が、特定抗争指定暴力団・神戸山口組の井上邦雄組長ら4人に対して損害賠償を求めた民事訴訟で、大阪高裁が約2億7千万円の支払いを命じたことを受け、当時・神戸山口組の副組長で、現在は離脱して独立組織となっている暴力団・二代目宅見組の入江禎組長の大阪府豊中市にある自宅の土地と建物を差し押さえ、強制競売の手続き開始を決めたことがわかった。
大阪地方裁判所
この民事訴訟は、新規事業のために10億円の資金調達を急いでいた東京の経営コンサルティング会社の男性役員が、2020年7月に金融ブローカーから「京都に最強の資産家がいる」として、当時・神戸山口組系二代目宅見組傘下の組長を紹介され、金融ブローカーが抱える借金2億5千万円を肩代わりすれば10億円を融資すると説明され、指定された口座に2億5千万円を送金。その後、元幹部から「特定の人物による保証が必要」と言われ、融資は受けられず、暴力団組織の存在に言及して「何か文句があるのか」と返金を拒否。
被害者の男性役員側が、井上組長や入江組長らに暴力団対策法に基づく代表者責任があるとして損害賠償を求め提訴し、2024年12月に大阪高裁が一審判決を支持し、連帯して約2億7千万円の損害賠償を命じていた。
井上組長の自宅は、すでに差し押さえられたことが判明していて、入江組長側は井上組長側と同様に上告受理を申し立てているが、判決確定後に支払いがなければいずれも強制退去となる可能性があり、府警は入江組の活動拠点が流動的になるとみて警戒を続けている。