福岡地裁(足立勉裁判長)で6日、大手ゼネコン「大林組」従業員らが乗った乗用車が2008年に福岡市の路上で銃撃された事件で、銃刀法違反(発射)と器物損壊の罪に問われた、特定危険指定暴力団・工藤會系石田組幹部、田中幸雄被告(53)に対する判決公判が開かれ、懲役10年(求刑懲役12年)を言い渡した。
田中幸雄被告(2016年)
判決によると、田中被告は実行役として、工藤會系の元組員らと共謀して2008年1月17日、同市博多区下川端町の路上で、大林組の社用車に拳銃で弾丸4発を発射し、フロントバンパーなどを壊した。従業員ら3人が乗っていたが、けがはなかった。
足立裁判長は、着衣や使った原付きバイクの特徴などから、田中被告が実行役として犯行に関与したと認定。直接の動機は不明としながらも、自分たちの利益のために同社を威迫する意図がうかがわれ、「反社会的な犯行として厳しい非難に値する」と述べた。
この事件をめぐっては、共謀関係にあった工藤會系の元組員(68)が懲役5年、元準構成員(44)が懲役3年執行猶予5年の判決を受け、確定している。