警視庁暴力団対策課は16日までに、大手焼き鳥チェーン「鳥貴族」の系列店を装った客引き事件で、新たにいずれも準暴力団・チャイニーズドラゴン(怒羅権)関係者・陳華雄容疑者(45)=中国籍・東京都港区芝大門=と、雷国鋒容疑者(48)=中国籍・墨田区石原=の男2人を偽計業務妨害容疑で逮捕した。
左・陳華雄容疑者(45) 右・雷国鋒容疑者(48)
陳容疑者と雷容疑者は大手焼き鳥チェーンの「鳥貴族」系列店を装った3店舗を経営する会社の幹部で、2023年2月22日に新宿区歌舞伎町の路上で「鳥貴族」を訪れようとした男性らに対し、「混んでいるのですぐに入れない。系列店を紹介する」などとウソを言って、鳥貴族とは無関係の自らが運営する居酒屋「とりみち」や「とりきち酒場」などに勧誘して「鳥貴族」の営業を妨害した疑いが持たれている。
このグループの飲食店は、店名を頻繁に変えていて、「座席代」や「週末料金」などを加算して、通常の3~4倍程度を支払わせていたとみられていて、割高な飲食代金を支払わされたという「ぼったくり被害」の相談が警視庁に20件以上寄せられていた。3店舗の売り上げは合わせて月5千万円に上っていたとみられる。
この事件では、警視庁が今年1月に飲食店経営者の男や客引きグループのメンバーら男女15人を逮捕していて、このうち10~40代の男女9人も16日に再逮捕した。
鳥貴族では、客引き行為を一切行っていない。一部の鳥貴族の店舗では「系列店を装った悪質な客引きにご注意ください」と注意喚起していた。
同課は、客引きグループの背景にチャイニーズドラゴンなどの組織的な関与があるとみて、引き続き詳しい実態を調べている。