神戸地裁で13日、兵庫県尼崎市で2020年11月に特定抗争指定暴力団・神戸山口組系「三代目古川組」組長らを銃撃したとして、殺人未遂や銃刀法違反の罪に問われた特定抗争指定暴力団・六代目山口組系組員2人の2回公判が開かれ、検察側はいずれも懲役20年を求刑した。
神戸地方裁判所
山口組系「三代目司興業」幹部・藤村卓也被告(53)と、司興業傘下「川崎組」幹部・加藤伸治被告(55)は2020年11月、尼崎市の路上で神戸山口組系「三代目古川組」の仲村良松組長と、親泊吉広舎弟頭を拳銃で弾丸計3発を発射して命中させ、それぞれ太ももと左手に重傷を負わせた殺人未遂の罪などに問われている。
検察側は論告で「抗争状態にある中、2人は岡山県警の捜査員を装って組長を呼び出すなど周到に準備された計画性の高い犯行で、被害者が死亡する危険性があった」と指摘。住宅街での犯行だったため、一般人を巻き込む危険性もあり、極めて悪質だとした。
一方、 2人はいずれも殺人未遂罪について「殺意は全くなかった。発砲は威嚇に過ぎない」などと否認。最終弁論で両被告の弁護側は、殺人未遂ではなく傷害罪にとどまるなどと主張した。銃刀法違反罪は争わないとしている。
この裁判で神戸地検は暴力団同士の抗争事件であることを考慮し、裁判員裁判の対象から外し、3人の裁判官のみで審理が行われている。判決は来年1月19日。