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無登録の貸金業で5億円を貸し付け利息6億円 「五菱会ヤミ金事件」の元従業員ら4人を逮捕

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 警視庁生活経済課などは21日、違法な高金利で現金を貸し付ける「ヤミ金融」を営んだとして、無職・針谷恭輔容疑者(44)=東京都大田区=ら男女4人を貸金業法(無登録営業)と出資法(超高金利)に反する容疑などで逮捕した。針谷容疑者は2000年代に摘発された、指定暴力団・五代目山口組系「五菱会(現在の六代目清水一家)」傘下のヤミ金グループの元従業員。

「旧五菱会グループ」元メンバーらと共に摘発された「運び屋」の女-自らもヤミ金業営み逮捕

押収品

 針谷容疑者ら4人は2023年10月~今年2月、無登録で貸金業を営み、男女9人に計約180万円を貸し付け、法定利息の上限を大幅に超える計約68万円の利息を受け取るなどした疑いが持たれている。

 針谷容疑者は、登録業者を装ったホームページでの集客や、多重債務者にダイレクトメールを送るなどして融資を持ちかける手口で金を貸し付け、摘発を逃れるため回収した利息を他人名義の口座で管理し、多重債務者をグループに誘い込んで金の引き出しや運搬などの役割分担をしていた。2018年1月から今年2月までに、延べ約1万5000人に計約5億円を貸し付け、約6億円の利息を得たとみている。

 針谷容疑者らは、顧客名簿などを管理する拠点を置いて「センター」と呼ぶなど、旧五菱会系ヤミ金グループの営業手法を踏襲していた。逮捕前の任意の調べに対し「五菱会が潰れて一回足を洗ったが、2018年に再開した。やっぱりあの味が忘れられない」と話していたという。

 「五菱会ヤミ金事件」は2000年代初頭、不景気で生活に困窮した多重債務者らを狙い、次々と別の業者を紹介して借金を重ねさせる手口で問題となり、警視庁などが2003年に「ヤミ金の帝王」と呼ばれた統括役らを摘発した。最盛期にはヤミ金融1000店舗、年間収益1000億円に上った。当時20代だった針谷容疑者は従業員の一人で、取り立て業務などを担っていたとみられる。

 警視庁は、五菱会ヤミ金事件のノウハウやネットワークを活用してヤミ金を営業していたとみて、事件の全容解明を進めている。

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