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松戸市の監禁致死や逗子市の稲川会傘下組員刺殺 住吉会傘下元幹部に懲役28年の判決

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 千葉地裁(新井紅亜礼裁判長)で24日、2014年3月に千葉県松戸市で高橋源太さん(当時35)=千葉県松戸市=を拉致して死亡させた事件や、2013年7月に神奈川県逗子市で指定暴力団・稲川会傘下組員・軽部洋さん(当時30)が刺殺され、指定暴力団・住吉会系十三代目幸平一家傘下「義勇会」組員が刺傷した事件で、逮捕監禁致死や殺人、殺人未遂の罪に問われた「義勇会」の元幹部で無職・吉田将豪被告(41)=千葉県松戸市=の裁判員裁判の判決公判が開かれ、新井裁判長は「粗暴かつ危険」「強固な殺意に基づく執拗かつ残忍な犯行」と非難し、懲役28年(求刑・無期懲役)を言い渡した。

千葉地方裁判所

千葉地方裁判所

 吉田被告は仲間と共謀して2014年3月、松戸市内の路上で高橋さんの頭を金属バットで複数回殴打して車で連れ去り、同市内にある建物などに監禁して死亡させたとされる。高橋さんは行方不明となっていたが、2021年5月に「高橋さんは茨城県内に埋められている」との情報提供があり、同年12月中旬から茨城県内の山林で捜索を続け、2022年2月4日に白骨の遺体が発見された。また、2013年7月14日には神奈川県逗子市の海水浴場にいた稲川会傘下組員らとケンカになり、軽部さんを逗子海岸沿いの地下道まで追いかけて胸などをナイフで複数回刺して殺害したとされる。

 判決で新井裁判長は、松戸市で高橋さんが殺害された事件については検察側の主張を認め、「金銭的な不満から、同じ暴力団組織の上位者である被害者を引退させようと、苛烈な暴行を加えて拉致監禁して死亡させた」とし、「粗暴かつ危険」と断じた。被告が犯行の全ての過程に関与し、重要な役割を果たしたとして、弁護側が主張していたほう助犯ではなく、共犯関係が成立するとした。

 逗子市で軽部さんが刺殺された事件に関しては、稲川会傘下組員らとのトラブルで、逃げた軽部さんを追いかけてナイフで胸を複数回刺して心臓を貫通する致命傷を負わせた点に言及し、「強固な殺意に基づく執拗かつ残忍な犯行」と非難し、懲役28年を言い渡した。

 また、このケンカの仲裁に入っていた同じ義勇会組員(38)=千葉県松戸市=をナイフで複数回刺して重傷を負わせた殺人未遂罪については、「犯人性に合理的な疑いが残る」として無罪とした。これまでの裁判で吉田被告は起訴内容を否認し、弁護側は「現場の地下道は真っ暗で、誰が刺したか分からない」と訴えていた。

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