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愛媛県警は21日、愛媛県松山市郊外の覚醒剤の製造工場が摘発され、男女10人が検挙された事件で、新たに指定暴力団・住吉会傘下組員・森貴裕容疑者(51)=東京都渋谷区=を覚醒剤取締法違反(覚醒剤営利目的製造)の疑いで逮捕した。県警は「捜査に支障がある」として森容疑者の認否を明らかにしていない。押収品
森容疑者は仲間と共謀して今年5月24日から30日の間に、松山市郊外の民家で覚醒剤103グラム(末端価格およそ640万円相当)を製造した疑いが持たれていて、この事件での逮捕者は森容疑者を含め、呉明修(ウーミンショー)容疑者=台湾国籍=や日本人の男女など11人となった。森容疑者は覚醒剤の製造計画に関わっていたとみられている。
押収品
県警が覚醒剤密造の情報を得て今年5月、松山市内の現場に踏み込むと呉容疑者だけがいて、覚醒剤を所持していたため覚醒剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕した。
その後の捜査から日本人の男女ら数人を逮捕し、暴力団関係者ら数人の関与も判明。暴力団関係者らは、来日した台湾在住の呉容疑者ら数人を空港から製造現場まで送迎したり、密造場所を提供したりするなど、役割を分担していたとみられている。
逮捕された呉容疑者は、過去にも数回、覚醒剤を製造する目的で来日したことがあるといい、「作り方は来日前に教わった。お金がもらえると聞いてやった」と供述。地検は7月に男らを同法違反(所持)で起訴し、8月下旬に同法違反(営利目的製造)に訴因変更していた。
県警は、背後に国際的密造グループの存在の有無や、暴力団による組織的関与、流通ルートや資金の流れなど全容解明を進めている。