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岐阜県警組織犯罪対策課と岐阜中署は9日、自らの意思でいわゆる「指詰め」をしたにも関わらず、不正に国民健康保険の適用を受けて治療費の負担を免れたとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「三代目弘道会」若頭で「野内組」組長・野内正博容疑者(58)=岐阜市六条北=と、弘道会幹部で「小澤組」組長・小澤達夫容疑者(53)=東京都目黒区碑文谷=、野内組傘下「豊田組」組員・宇野誠哉容疑者(34)=岐阜市梅河町=の3人を詐欺の疑いで逮捕した。
岐阜県警察本部
3人は共謀して2023年2月23日、野内容疑者が自らの意思で手の指1本を切断したにも関わらず、過失による負傷と東京都内の医療関係者に申し出て、治療の際に不正に国民健康保険の適用を受け、治療費のうち国民健康保険の自己負担分を除く計約4万円の支払いを免れた疑いが持たれている。また同年3月9日にも岐阜県内の医療機関で同様に診療を受け、約5千円の費用負担を免れたとされる。国民健康保険は、原則として故意に負傷した自傷行為には適用されない。
野内容疑者と宇野容疑者は、他人名義のETCカードを使って高速道路を通行し料金の割引を受けたとして、9月18日に県警に逮捕され、岐阜地検は今月9日に処分保留としていた。
県警は3人の認否を明らかにしていないが、暴力団員の「指詰め」による健康保険制度の詐欺容疑での逮捕は全国で初とみられ、自らの意思で故意に指を切断した動機や詳しい経緯、背後関係などを捜査している。