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新型コロナ対策「持続化給付金」6600万円を詐取 住吉会傘下幹部ら3人を逮捕

 警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は25日、新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」を詐取したとして、指定暴力団・住吉会傘下幹部・時田一則容疑者(60)=東京都台東区千束=と、中村会幹部で「川上組」組長・川上峰央容疑者(53)=足立区新田=ら男3人を詐欺容疑で逮捕した。調べに対し、時田容疑者ら2人は容疑を否認し、川上容疑者は黙秘している。

生井沢一則こと時田一則容疑者(60)

時田一則容疑者(60)

 時田容疑者ら3人は、知人から紹介された税理士の男(41)=別の詐欺罪で服役中=と共謀して2020年、SNSで集めた男女66人の申請者を、新型コロナの影響で減収した個人事業主だと偽り、中小企業庁から「持続化給付金」100万円を不正受給させ、計6600万円の一部を受け取っていた疑いが持たれている。

 3人は配下組員に指示して、知人が集まるLINEのチャットグループなどで「フリーターでも個人事業主だし条件的に大丈夫」「税理士が手続きをやってくれる」などと勧誘し、呼びかけに応じた10代~70代の男女166人に新型コロナの影響で減収した個人事業主と偽らせて「持続化給付金」の申請をしていた。このうち100人は申請が通らず、給付を拒否されたが、66人が不正に受給していた。

 申請者は組員らに運転免許証などの本人確認書類や、給付金受取口座の通帳画像などを送信し、組員から画像を受け取った税理士の男が、給付金の申請に必要な確定申告書類や売り上げ台帳を偽造して、申請手続きを代行していた。

 組員は申請者らから受給金額の半分50万円を受け取り、手数料を引いた残額を時田容疑者に上納していたとみられ、税理士の男は1件当たり10万円を受け取っていた。警視庁は2023年中旬以降、「持続化給付金」の不正受給に関与した住吉会傘下組員ら約10人を詐欺容疑で逮捕していて、背後関係などを捜査していた。

 警視庁は、税理士の男を詐欺容疑で書類送検するとともに、詐取した給付金が住吉会の資金源になっていたとみて、余罪などを含め詳しく調べている。

【お詫びと訂正】
 記載されたお名前、所属先について、誤記載がありました。正しくは住吉会傘下幹部・時田一則容疑者(60)です。お詫びして訂正させていただきます。

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