奈良県警は、アパートの一室に拳銃7丁と実弾73発を所持していたとして、すでに覚醒剤取締法違反などの罪で逮捕・起訴されている、特定抗争指定暴力団・六代目山口組・三代目弘道会系野内組傘下「権太会」幹部・黒宮敦容疑者(53)=奈良県大和郡山市=と、義弟の無職・黒宮善久容疑者(47)=奈良県斑鳩町=の2人を銃刀法違反(加重所持)と火薬取締法違反の疑いで逮捕した。県警は2人の認否を明らかにしていない。
押収された拳銃や実弾
2人は今年1月16日、斑鳩町にある善久容疑者の自宅アパートで、回転式と自動装塡式の拳銃7丁と、これに適合する実弾73発を2つのジュラルミンケースに入れて隠し持っていた疑いが持たれている。
2人は無職の知人の女(24)とともに、覚醒剤計約588グラムや大麻草748グラムなどをそれぞれの自宅に隠し持ち、2022年3月以降、男女11人の客に密売したなどとして、すでに逮捕・起訴されている。2人から覚醒剤などを譲り受けた男女11人も逮捕・書類送検している。
県警は、敦容疑者が中心の覚醒剤の密売グループが、善久容疑者の自宅アパートを拠点に覚醒剤や大麻などを密売していたとみて捜査を進め、今年1月に家宅捜索を行い、覚醒剤や大麻、注射器などのほか、拳銃や実弾が発見された。
県警は、2人が暴力団同士の対立抗争に備え、この部屋を「武器庫」としても使用していたとみて、拳銃や実弾の入手経路や、使用された形跡の鑑定など調べを進めている。