福岡高裁で27日、特定危険指定暴力団・工藤會が主導したとされる市民襲撃など6つの事件に関与したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われ、一審の福岡地裁で無期懲役の判決を受けた工藤會ナンバー3の理事長・菊地敬吾被告(51)の控訴審初公判が開かれ、菊地被告は一審での全面否認から一転し、一部事件の関与を認めた。
菊地敬吾被告
菊地被告は、市民襲撃事件など6つの事件に関与したとして組織犯罪処罰法違反の罪などに問われ、福岡地裁で行われた一審では全面否認をして無罪を主張していたが、無期懲役の判決を受けていたが、控訴審初公判では、2012年の福岡県警の元警察官銃撃事件、2013年の看護師刺傷事件、2014年の歯科医師刺傷事件の3つの事件について、一転して関与を認めた。
被告人質問で菊地被告は、元警察官銃撃事件については、「いつか痛い目見してやろうと思った」「私の私怨から私が計画した事件です」と話し、独断で実行したと主張し、看護師刺傷事件と歯科医師刺傷事件については、工藤會会長・田上不美夫被告(67)から「指示された」と関与を認めた。
菊地被告は、一審の裁判から全面否認から主張を変えた理由について、「自分が認めることで工藤會に迷惑がかかると当時思っていた」と述べた。
検察側は、一審判決に事実誤認はないとして控訴棄却を求めた。一方、弁護側は、いずれの事件についても殺意はなかったと主張し、傷害罪の適用を求めた。
次回の裁判は、6月6日に行われる予定。