福岡地裁に31日、特定危険指定暴力団・工藤會の元幹部による「みかじめ料」恐喝事件の被害者男性=北九州市=が、福岡県警が提訴にあたって必要な準備費用などを全額負担する新たな制度を利用して、工藤會総裁・野村悟被告(77)と、会長・田上不美夫被告(68)ら3人に対し、被害金や慰謝料など総額約1450万円の損害賠償を求め提訴した。
福岡県警察本部
男性は2018年から3年以上にわたり、工藤會元幹部(56)に「みかじめ料」として計1200万円を脅し取られたとされ、この元幹部は2023年1月に工藤會を脱退したが、同年5月に福岡地裁小倉支部で懲役4年の実刑判決が確定している。
この新たな制度は2023年6月に全国で初めて福岡県警が導入したもので、被害者が損害賠償請求訴訟を起こす際に、勝訴の見込みなど事前に調査するための弁護士費用など50万円程度を県警が全額負担するという。制度が利用されたのは初めてで、裁判で損害賠償が認められれば工藤會の経済的ダメージにつながるとされる。