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福岡地裁小倉支部(渡部五郎裁判長)は13日、2011年5月に福岡県福津市で準大手ゼネコンの社員だった男性宅に銃弾が撃ち込まれた事件に関与したとして、銃刀法違反や建造物損壊などの罪に問われていた、元特定危険指定暴力団・工藤會系「四代目極政組(現在は五代目)」組長(57)の判決公判が開かれ、渡部裁判長は「立証の柱である実行役の供述が、信用性のある別の調書と矛盾していて信用できない」などとして、元組長に無罪(求刑・懲役12年)の判決を言い渡した。
福岡地方裁判所小倉支部
この事件は2011年5月6日午前1時35分頃、東京に本社を置く準大手ゼネコン九州支店に勤務する男性(当時59)宅に銃弾5発が撃ち込まれ、玄関ドアなどが損壊されたもので、元組長は既に有罪判決を受けている実行役の工藤會系元組員らと共謀して犯行に及んだとして、銃刀法違反などの罪に問われていた。
これまでの裁判では、元組長の共謀の有無が争点となっていて、検察側は元組長が「実行役に指示した」などと主張し、懲役12年を求刑していた。一方、元組長側は一貫して無罪を主張していた。
判決で渡部裁判長は、「検察の立証の柱である実行役の供述が変遷していて、信用することはできない」と指摘し、その上で「合理的な証明がされたと言うことはできない」などとして無罪を言い渡した。
無罪判決を受けて、検察側は「判決内容を精査し、適切に対応する」としている。