宮崎地裁で11日、2020年に宮崎市内で特定抗争指定暴力団・池田組傘下の組長を、包丁で頭や腰などを切りつけて殺害しようとしたとして、殺人未遂などの罪に問われている特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「四代目石井一家」幹部で「四代目江口組」組長・下藤勝一郎被告(56)と、石井一家幹部で「川近総業」会長・原義一被告(56)の2人の裁判員裁判での初公判が開かれた。
事件当時の現場周辺
2人は共謀して2020年9月14日、宮崎市橘通西1丁目のマンション駐車場で池田組系「志龍会」傘下組長(50代)に対し、殺意を持って頭や腰などを出刃包丁で突き刺し、全治2か月の重傷を負わせた殺人未遂などの罪に問われている。
初公判で、主犯とされる下藤被告は、「包丁で刺したことは間違いないが、殺すつもりはなかった。自分1人で考えたことで共謀はしていない」と殺意を否認し、原被告は「共謀はありません」と述べ、起訴内容を否認した。
検察側は、「過去の事件の報復目的での襲撃。犯行は極めて危険かつ悪質」と主張した一方、下藤被告の弁護側は、殺人未遂罪ではなく傷害罪だと主張し、原被告の弁護側は無罪を主張した。12日には証人尋問が行われる。