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実弟名義のETCカードを使用 山口組系「秋良連合会」会長に懲役1年6か月を求刑

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 大阪地裁で15日、同居する実の弟名義のETCカードを使用して阪神高速道路などを走行したとして、電子計算機使用詐欺の罪で起訴されていた、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「秋良連合会」会長・秋良東力こと金東力被告らの論告求刑公判が開かれ、検察側は金被告に対し懲役1年6カ月、運転手の秋良連合会幹部に懲役1年、カード名義人の金被告の実弟に懲役10カ月を求刑した。

大阪地方裁判所

大阪地方裁判所

 検察側は論告で、「カード会社の規約で名義人本人のみが使用でき、本人以外の者に譲渡できないと定めている」と指摘した上で、「名義人の承諾の有無、名義人が家族であるか否かに関係なく、カード名義人が車両に同乗していない限り、使用権限はない」と主張。さらに金被告が以前にETCカードを所有していた時期があることから「カード使用による割引サービスを認識していた。名義人が同乗していない状態で常習的に車を利用しており、高速道路会社に営業的損失を与えた」などとした。

 一方、弁護側は、「世間一般にETCカードの家族間の貸し借りは広く行われており、これが犯罪であれば世間は犯罪者であふれている。だが、本件発覚まで高速道路会社は名義人が同乗していなければならないとは一切広報しておらず、名義人が同乗していない車両をETCレーンに通行させない処置もしていない」と反論。さらに「一般的に行われている行為で逮捕、起訴するのは公訴権の乱用だ。名義人の意思に基づいてカードが差し込まれた車両の通行情報をシステムに伝達した事が違法行為に該当するような虚偽情報なのか。正規料金との差額700円を詐取しようとする意識は全く無かった。」などとして改めて無罪を主張した。

 最後に裁判官から意見を求められた金被告は、「公正な判断を望みます」と答えた。判決公判は、5月8日に行われる予定。

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