長野・愛知両県警の合同捜査本部と宮城県警は1日午前4時29分、2020年9月に長野県上伊那郡宮田村で発生した殺人未遂事件で、全国に重要指名手配されていた指定暴力団・絆會若頭で「織田連合」会長・金澤成樹こと金成行容疑者(55)を宮城県仙台市内にいたところを、殺人未遂の疑いで逮捕した。金容疑者の認否については、捜査上「明らかにしない」としている。
金澤成樹こと金成行容疑者(52)
金容疑者は2020年9月28日、長野県上伊那郡宮田村の駐車場に停められた車の中で、当時・絆會系「四代目竹内組」の宮下聡組長(51・当時48)の脇腹を拳銃で撃ったとして、殺人未遂の疑いで指名手配されていた。宮下組長の六代目山口組への移籍を巡るトラブルが背景にあったとみられている。
長野県警駒ヶ根署に設置されたフリーダイヤルに「仙台市内で似た人物を見かけた」と匿名の情報提供があり、1日午前4時29分に仙台市若林区沖野2丁目のアパート一室に一人でいるところを逮捕した。金容疑者は本人であることを認め、特に抵抗する様子はなかったという。拳銃は発見されていない。
金容疑者は2年ほど前にこのアパートに引っ越してきたが姿を見かけることはほとんどなく、数か月前から住んでいたと見られていて、身柄を確保する際には閃光弾を使ったという。現場周辺には緊急配備がしかれ一時、騒然とした。
この事件をめぐっては、金容疑者を車に乗せて逃走を手伝ったとして、あわせて4人が犯人隠避の疑いで逮捕されたが、いずれも不起訴処分となっている。警察は、事件の経緯や逃亡中の生活、足取りなどを詳しく調べている。