警視庁暴力団対策課は、息子や孫を装って高齢者から現金をだまし取ったなどとして、いずれも指定暴力団・稲川会傘下組員・玉川蓮容疑者(23)=住居不詳=と、鈴木心容疑者(23)=横浜市鶴見区本町通=の2人を詐欺と窃盗の疑いで逮捕した。
警視庁本部
玉川容疑者と鈴木容疑者は他の仲間と共謀して2023年5月、東京都東村山市在住の女性(80代)に息子を装って「会社のお金をなくした。すぐ返さないといけない」「不動産屋から預かった大金入りの袋を弁償する必要がある」などとウソの電話をかけ、だまし取ったキャッシュカードで現金50万円を引き出したり、現金250万円を詐取した疑いが持たれている。
2人は、指定暴力団・住吉会傘下組員・宮沢幸矢被告(24)=詐欺罪などで公判中=が運営する「かけ子」グループがだました被害者から、現金などを受け取りに行く詐欺グループの「受け子」役とみられていて、このかけ子グループが関与した被害は、2022年4月からの約1年1か月の間で1都9県、約170件が確認されていて、被害総額は約5億7千万円に上る。
同課は2人の認否を明らかにしていないが、かけ子グループを運営していた宮沢被告から受け子役のリクルートや管理などを依頼され、被害金額の4割を受け子グループの報酬として受け取っていたとみている。