東京税関成田支署と千葉県警は12日、航空貨物で中米グアテマラから香港などを経由して成田空港に覚醒剤約190キロ(末端価格約125億4千万円相当)を密輸入したとして、貿易業・アンヘル・エドゥアルド・ビジィングスレア・ゴンサレス被告(31)=住所不詳・グアテマラ国籍=を覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)、麻薬特例法違反などの容疑で逮捕、起訴した事を発表した。
被告は何者かと共謀して、成田空港に2024年7月14日到着の航空貨物便に、「太陽熱温水器」の名目で輸入申告した貯湯タンク内に覚醒剤約190キロを隠して密輸しようとした疑いが持たれている。
貯湯タンクは、長さ約165センチ、直径約40センチの細工された筒状タンク12本で、中には覚醒剤が約300~約700グラムずつ、ビニールとアルミはくに包まれ、二重構造にした側面のすき間に断熱素材に見せかけ、タンク1本当たり25包み、計300包みが隠されていた。
中南米からの大型貨物では密輸事件が複数確認されていることから、同支署がエックス線や麻薬探知犬などの税関検査を実施。不正薬物が隠されている可能性が浮上し、8月5日に貨物を解体して覚醒剤を発見した。
同支署と県警薬物銃器対策課、成田空港署が共同捜査を行い、9月2日に東京都内の倉庫に貨物を受け取りに来た被告を麻薬特例法違反容疑で現行犯逮捕し、同月22日に覚醒剤取締法違反の疑いで再逮捕、10月9日に関税法違反容疑で千葉地検に告発した。
航空貨物を使った密輸事件としては過去最多の押収量で、逮捕時の調べに対し、被告は容疑を否認していたが、千葉地検は2024年10月11日に起訴している。