福島県警郡山署は24日午後、福島県郡山市のJR郡山駅前で女性従業員が客を接待する風俗店を許可を受けずに営業したとして、飲食店経営者(23)、飲食店従業員の女(23)の2人を風営法違反の容疑で逮捕した。この店はSNSなどでつながり離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(通称・トクリュウ)」が深く関与しているという。県警は「捜査に支障がある」として2人の認否を明らかにしていない。
福島県郡山警察署
2人は福島県公安委員会の許可を受けず、郡山市大町1丁目のガールズバーで接待を伴う営業をするなどした疑いが持たれている。この店はガールズバーで届け出ていたが、実態はキャバクラで女性従業員が客を接待し、未成年も勤務していて、少なくとも2023年から営業していたとみられる。2023年12月に同署に違法営業の情報があり、立ち入り検査をするなど行政指導していた。
経営者らのトクリュウは40~50人規模に上り、許可を受けず風俗店の営業や悪質な客引き行為、ぼったくり、暴力、脅迫、特殊詐欺といった不法行為を繰り返していて、通りがかった女子学生へのスカウト行為も散見された。この店のほかにも数店舗を経営していたとみられ、同署は、経営者がトクリュウの中枢の1人で組織的に不当な利益を上げていた可能性があるとみて経営実態などを調べている。
JR郡山駅前の繁華街では、この店の進出と同時期に執拗な客引き、勧誘をする通称「カラス族」の姿が急増していて、同署は悪質な客引きにもトクリュウが関与していると判断し、24日夜に約150人態勢で家宅捜索に行い、関連資料などを押収した。