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「餃子の王将」社長射殺事件 “手のひらサイズ”の小型銃を使用

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 21日、「餃子の王将」を展開する王将フードサービス社長射殺事件で、使用された拳銃が25口径の自動式だったことが分かった。小型で扱いやすいとされ、至近距離から4発撃ち込むことで確実に殺害しようとした可能性もある。京都府警は使われた弾の「線条痕」から銃の種類の特定を進め、犯人の割り出しを急ぐ。

京都府警察本部

京都府警察本部

 拳銃の口径とは、銃口の直径を指す。銃口が大きいほど、銃弾も大きく火薬量も増えるため、殺傷能力は増す。数字は、100分の何インチ(1インチは25・4ミリ)かを示しており、警察官が持つ38口径は銃口が直径9・65ミリ。犯行に使われた25口径は直径6・25ミリで、小型銃の部類に入る。

 小型銃は発砲時に反動が少ないため扱いやすいとされる。ただ、殺傷能力は低く、犯人が至近距離から少なくとも4発撃ち込むことで、同社社長の大東隆行さん(72)を確実に殺害しようとした可能性があるとみている。

 捜査関係者らによると、25口径の自動式は米国など各国で製造され、全長10~14センチ、重量は300~400グラム程度の「手のひらに隠し持てるぐらいのサイズ」。特徴としては「背広の内ポケットに入り持ち運びが簡単」「海外では護身用として使われ、女性でも扱いやすい」という。

 銃器犯罪は暴力団の関与も疑わせるが、捜査関係者は「暴力団員なら30、38口径の回転式が多く、慣れない自動式はあまり使わない」と指摘。ただ、過去に暴力団捜査で25口径が押収されたことがあり、はっきりした傾向は言えないという。

 今回の現場では「銃声を聞いたという話が出てこない」(京都府警の捜査幹部)。大口径に比べ音が小さい上、消音器を使ったり、厚い布をかぶせたりして音を消した可能性があるとみている。

 今後の焦点になりそうなのは線条痕。発射された弾に刻まれる特有の筋状の傷痕で、1丁ごとに違うため「銃の指紋」とも呼ばれる。判明すれば「過去の犯罪に使われたものと一致するかどうかを調べられ、銃の製造元を特定し、入手ルートの解明も可能になる」(捜査関係者)。

 捜査本部は約80人態勢で、殺人事件などが担当の捜査1課のほか、暴力団を扱う組織犯罪対策部門の捜査員も多く投入している。防犯カメラの画像分析や目撃情報の収集とともに、銃の解明が犯人像を浮かび上がらせる捜査の重要な柱になる。

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