京都検察は30日、「餃子の王将」の運営会社・王将フードサービス前社長・大東隆行さん(当時72)を射殺したとして逮捕された特定危険指定暴力団・工藤會系石田組幹部・田中幸雄容疑者(56)を、勾留請求の手続きのため、一時、京都地裁へ身柄を移送し、勾留が認められた。
田中幸雄被告(56)
京都府警と福岡県警の合同捜査本部は、田中容疑者が銃撃に使用した拳銃は見つかっていないが、銃撃に使われたのはイタリアの銃器メーカーが製造している25口径の自動式拳銃で発射されたと結論づけた。25口径は銃口の直径が約6ミリで、発射時の反動が少なく、殺傷能力は低いが発射音が小さくて扱いやすいとされている。警察官が通常携帯している38口径の拳銃よりやや小型で、流通量は少なく暴力団関係の銃撃事件で使用されることは珍しい。
また、同本部は29日、「不適切な取引」を指摘された福岡を拠点とする企業グループの当時の経営者から任意で事情聴取した。
2013年12月の田中容疑者による大東さん射殺事件の後、2016年に王将フードサービスが設置した第三者委員会の報告書では、特定の企業グループと不動産の売買など約260億円の不適切な取引を繰り返していたと公表し、大東さんはこうした状況を改善し、この企業グループとの関係を断ち切ろうと動いていたとした。
同本部は「不適切な取引」と、「大東さん射殺事件」との関連を調べるため、企業グループの当時の経営者を任意で事情聴取したとみられる。