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前橋地裁(山下博司裁判長)で10日、2020年1月に群馬県桐生市で特定抗争指定暴力団・六代目山口組・三代目弘道会系野内組傘下「二代目栗山組」組員(当時51)が射殺された事件で、殺人と銃刀法違反、携帯電話不正利用防止法違反の罪に問われている、指定暴力団・稲川会系「七代目田中一家」幹部・室田利通被告(63)の裁判員裁判の論告求刑公判が開かれ、検察側は無期懲役と罰金20万円、拳銃1丁と実弾2発の没収を求刑した。
前橋地方裁判所
室田被告は共犯者の男3人に対し、拳銃や実弾、車を提供して射撃や金属バットによる加勢、車での送迎をそれぞれ指示した上、2020年1月24日午後7時ごろに栗山組組員が住む桐生市のアパート駐車場で拳銃1丁と実弾3発を所持し、2発を発射して栗山組組員の頭と胸に命中させ射殺したほか、2019年12月21日~2020年1月4日ごろの間、他人名義の携帯電話を契約者以外の人物から譲り受け、2022年8月31日には群馬県前橋市の知人宅で、別の拳銃1丁と実弾1発を保管していたとされる。
論告で検察側は、組員の胸に命中した銃弾が約50メートル先の別のアパートの壁を貫通したと指摘し、「第三者の命を奪いかねず、危険極まりない」と厳しく非難し、共犯者らが犯行を供述した時期や経緯は異なり「口裏合わせはなく、信用できる」と述べた上で、共犯者の間に深い人間関係はなく「彼らを束ねられるのは被告だけだった」と指摘した。
一方、弁護側は第三者名義の携帯電話は、被告ではなく別の人物が使っていたと主張し、共犯者らの供述には虚偽が含まれ「巻き添えにされた」として、改めて無罪を主張した。