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さいたま地裁(中川卓久裁判官)は23日、「闇バイト」の報酬を受け取りに来た男性を暴行したなどとして、逮捕監禁と恐喝未遂の罪に問われた、無職・饗庭元被告(21)=求刑・懲役3年6月=と、無職・佐藤拳太被告(25)=求刑・懲役3年=に対し、いずれも懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
さいたま地方裁判所
饗庭被告と佐藤被告はX(旧ツイッター)から闇バイトに応募し、今年8月27~28日にさいたま市西区の公園の仮設トイレで、闇バイトの報酬を受け取るため待機していた派遣社員の男性(30代)に暴行を加えて、左腕に軽傷を負わせたうえスマートフォン(計8万円相当)などを奪い、その後、男性を乗用車に無理やり乗せて監禁して現金を脅し取ろうとしたとされる。
被害者の男性と、饗庭被告、佐藤被告の3人はいずれもが面識はなく、3人とも「闇バイト」に応募して指示役からの秘匿性の高い通信アプリを通じて、被害者の男性はスマートフォンの購入を、饗庭被告と佐藤被告の2人は男性からスマートフォンを奪い、暴行、監禁するよう指示を受けていた。
判決で、佐藤被告が車内でスマートフォン越しに「よその(闇バイトの)案件やってましたよね」「今日生きて帰れないかもしれませんよ」などとする指示役の脅し文句を男性に聞かせ、饗庭被告が男性の腹部を殴るなどしたと指摘。「(逆らえば)被害者と同じ目に遭うことを恐れていた」とする両被告の供述に対し、中川裁判官は「警察に相談するなど合法的な手段を取らず、違法行為に及んだ。酌量すべき事情はない」と非難した上で、両被告が「従属的な立場」で「事実を認め反省の態度を示している」ことを踏まえ、執行猶予付きの判決を出した。