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逃走中の「池田組」若頭に潜伏先を提供 犯人蔵匿の男に懲役1年6月求刑で即日結審

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 松山地裁で8日、今年1月に四国中央市妻鳥町の商業施設にあるコーヒーショップで、石川雄一郎さん(当時49)が胸などを撃たれて射殺された事件で、殺人などの罪で起訴された特定抗争指定暴力団池田組若頭で「功龍會」会長・前谷祐一郎被告(62)を、逃亡中と知りながら約1か月半にわたり岡山県倉敷市の住宅に匿ったとして、犯人蔵匿の罪で起訴された建設業「土井工業」社長・土井竜司被告(59)=岡山市南区福富西=の初公判が開かれ、土井被告は起訴内容を認め、検察側は懲役1年6月を求刑して即日結審した。


提供した潜伏先の住宅

 冒頭陳述で検察側は、土井被告は前谷被告と10年来の知り合いだったと指摘。前谷被告が被告の親族の葬儀に出席したことなどから、土井被告が日ごろから前谷被告に恩義を感じていたなどと事件の背景を説明。証拠調べでは、事件の2日後に前谷被告が逃亡先の京都から土井被告に電話で「覚悟してやったことだが行くところがないんじゃ」などと話していたことが明らかとなり、検察側は被告が同僚の車で京都に居た前谷被告を迎えにいったと主張した。

 また、検察側の被告人質問で土井被告は、「前谷被告が池田組の若頭だったことなどから、警察に密告すれば自分や家族になにをされるか分からないなどと感じた」などと話した。

 一方、弁護側の問いに対し土井被告は「今となっては(前谷被告に)利用されたのかもしれない」などと話し、匿っていた期間には前谷被告に自首するよう促したなどと話した。

 検察側は「他人名義の車両を使うなど捜査を免れようとしたことは厳しい非難に値する」などとして、土井被告に対し懲役1年6月を求刑。弁護側は「犯行は個人的なつながりによるもので、組などから便宜を受けたものではなく(前谷被告に)出頭も促していた」などとして、執行猶予つきの判決を求めた。

 裁判は即日結審し、判決は19日に言い渡される予定。

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