福岡県警博多署は29日、暴力団員であることを隠して福岡市内のホテルに宿泊したとして、特定危険指定暴力団・工藤會系「二代目長谷川組」組長代行で、「永田組」組長・永田尊重容疑者(45)=千葉県市川市新田2丁目=と、永田組幹部・橋詰拓弥容疑者(37)=ら4人を詐欺の疑いで逮捕した。同署は4人の認否を明らかにしていない。
福岡県博多警察署
永田容疑者ら4人は今年1月9日、暴力団員の宿泊を拒否している福岡市内のホテルに暴力団員であることを隠して宿泊した疑いが持たれている。4人はチェックインの際、「暴力団関係者ではない」などの反社会勢力排除条項のある宿泊約款を示され、橋詰容疑者が署名。ホテル従業員に対し、暴力団関係者でないと騙して宿泊契約を結んだとされる。
逮捕のきっかけとなったのは、永田容疑者ら4人がこのホテルで1泊し、翌10日に福岡市中洲の路上を歩いていたところ、パトロール中の博多署・中洲特別捜査隊に職務質問を受け、「母体組織の挨拶のため福岡に来た」などと話したことから、反社会勢力排除条項のあるホテルに宿泊した疑いが浮上した。
【追記】
福岡地検は、2024年3月21日付で永田尊重組長や橋詰拓弥幹部ら4人を不起訴処分とした。地検は処分理由について「起訴するに足りる証拠がない」としている。