詐欺グループから被害金を回収しフィリピンに運ぶ 犯罪組織「JPドラゴン」幹部を逮捕

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　大阪府警は２４日、特殊詐欺の被害金を受け取ったとして、犯罪組織「JPドラゴン」幹部・鹿児嶋孝之容疑者（５６）＝福岡県新宮町湊坂＝を組織犯罪処罰法違反（犯罪収益等収受）の疑いで逮捕した。

鹿児嶋孝之容疑者(56)

　鹿児嶋容疑者は２０２２年７月１０日に東京都内のラーメン店で、特殊詐欺事件で「受け子」がだまし取った約２０４万円を含む現金約４１２７万円を、詐欺グループのメンバーから犯罪収益と知りながら受け取った疑いが持たれている。鹿児嶋容疑者は翌１１日に現金約７千万円を持って成田空港からフィリピンへ出国していた。

　鹿児嶋容疑者は今年３月にフィリピン現地当局に身柄を拘束され、６月に日本に強制送還されて以降、福岡県警が窃盗や詐欺の容疑で５回逮捕していて、２４日に府警が福岡県警南署で鹿児嶋容疑者を逮捕し、大阪に身柄を移送していた。府警は鹿児嶋容疑者の認否を明らかにしていない。

　鹿児嶋容疑者は元暴力団組員らによってフィリピンで結成された日本人の犯罪組織「JPドラゴン」の幹部で、特殊詐欺グループから受け取った被害金を回収し、JPドラゴンが拠点としているフィリピン・マニラなどに運ぶ役割だったという。

　２０１９年には、全国で強盗事件などを起こした「ルフィ」グループがフィリピンに置いていた、日本国内に特殊詐欺の電話を掛ける「掛け子」の拠点を、JPドラゴンが襲撃していたことも確認されている。

　府警はこれまでの特殊詐欺事件で鹿児嶋容疑者を含むメンバー男女１３人を逮捕していて、特殊詐欺グループによる被害総額は少なくとも２０２２年５月から７月までの２か月間で約４億１０００万円に上り、鹿児嶋容疑者が被害金を回収し、何度もフィリピンに運んでいたとみている。