福岡地裁で12日、対立する特定抗争指定暴力団・神戸山口組系組長の自宅へ放火しようとしたとして、現住建造物等放火未遂などに問われている、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「一道会」組員・木村幸也被告(52)の裁判員裁判による公判が開かれ、検察側は木村被告に対し懲役8年を求刑した。
福岡地方裁判所
木村被告は2022年8月31日未明、福岡県古賀市中央にある神戸山口組系「二代目安部組」の元満志郎組長の自宅に放火しようと、組長宅の玄関前に駐車された無人の普通乗用車に、自ら作成したガソリンとエンジンオイルの混合液をかけてライターで着火したとして、現住建造物等放火未遂と火炎瓶処罰法違反の罪に問われている。
検察側は、「車への放火で家に燃え移る危険性を認識していた」と指摘。事件の2週間前には、木村被告が組員とわからぬよう作業着を着用して下見をするなど「計画性は高い」とし、「組のメンツを保つための犯行で反社会的な動機である」として懲役8年を求刑した。
一方、弁護側は「家を燃やす意図はなかった。個人の思いで犯行に及び、抗争事件とは一線を断つ」として、懲役3年執行猶予5年の保護観察付処分が相当と主張。木村被告は最後に「きちんと暴力団から足を洗っていきたいと思います」などと述べた。
判決は今月15日に言い渡される予定。