警視庁捜査2課は26日、フィリピンを拠点に特殊詐欺事件や強盗事件などに関与していた「ルフィ」グループで、日本国内にウソの電話をかける「かけ子」メンバーの下枝才人容疑者(25)と、菅野和志容疑者(28)の2人を特殊詐欺に絡む窃盗容疑で逮捕した。
左・下枝才人容疑者(25)
右・菅野和志容疑者(28)
フィリピン・マニラの入管施設に収容されていた下枝容疑者と菅野容疑者は、26日にフィリピンから日本に向けて強制送還され、警視庁などが捜査員を派遣して移送中の航空機内で逮捕した。
2人は仲間と共謀して2019年11月、都内在住の男性(70代)と女性(60代)に対し、それぞれウソの電話をかけて、キャッシュカードあわせて7枚を盗んだ疑いが持たれている。下枝容疑者らは一連の強盗事件の指示役で「ルフィ」などと名乗っていた渡辺優樹被告(39)=強盗致死罪などで起訴=らの指示で、フィリピンから特殊詐欺の電話をかけていたとみられている。
この特殊詐欺グループは、2023年2月に強制送還された渡辺被告がリーダー格とされていて、2018年頃からフィリピンで特殊詐欺を始めたとみられる。被害総額は60億円以上に上り、首都マニラ周辺で活動する日本人犯罪組織「JPドラゴン」の幹部・小山智広容疑者(49)も関与していたとされている。
小山智広容疑者(49)
同課は、窃盗容疑で小山容疑者の逮捕状も取っているが、小山容疑者が今年1月にフィリピン国内での詐欺容疑で拘束されていて、強制送還については同国内の事件の取り下げが前提となる。
この特殊詐欺グループは、これまでに70人以上が逮捕されているが、およそ20人が未だにフィリピンなど海外に潜伏しているとみられ、警視庁が行方を追っている。