長崎地裁佐世保支部で11日、長崎県松浦市議会前議長の男性に対する名誉毀損罪などに問われた無職・後藤栄治こと宮本榮治被告(76)の初公判が開かれ、宮本被告は起訴内容について「ほぼ間違いありません」と認めた。
長崎地方裁判所佐世保支部
宮本被告は今年2月下旬ごろ、松浦市議会前議長だった男性(当時30代)が「正月明けから連日連夜はしゃいでいる」「わいせつ罪を犯している」などの虚偽内容が書かれた複数の書面を、松浦市内の二つの飲食店で配布させた名誉毀損罪などに問われ、2023年10月にはこの男性に辞職を求め、「議員を辞めないなら、セクハラしたことを他の議員や市長宛てに手紙で送る」などと脅して顔面を手の甲で叩くなどした職務強要罪にも問われている。前議長の男性は今年2月29日に松浦市内の川沿いで死亡しているのが発見され、自殺を図ったとみられている。
宮本被告は当時、広域暴力団・一和会系二代目山広組若頭で「後藤組」組長だった1985年1月26日、山口組の四代目継承問題で分裂した一和会系組員らが、大阪府吹田市で四代目山口組の竹中正久組長、中山勝正若頭、組員で「南組」の南力組長ら3人の射殺事件に関わったとして、警察庁が公開指名手配していた人物で、この射殺事件では2000年に時効が成立している。
冒頭陳述で検察側は「事件後、組を解散して足を洗った」と述べた。裁判官からの被告人質問で、宮本被告は「今日までの間、自重してやってきたのは事実」と語った。