反社会勢力による事件やニュース
T

工藤會ナンバー3の公判 総裁への尊敬の念を口にして組織的な関与を否認

◀◀関連記事▶▶

 福岡地裁で25日、特定危険指定暴力団工藤會トップ・野村悟被告(75)の指揮命令の下で実行された「4つの市民襲撃事件」のうち3つの事件に関与したとされ、そのほか「暴力団排除標章」を掲げた飲食店に配下組員に指示して放火するなど、あわせて6つの事件で罪に問われている工藤會のナンバー3で「五代目田中組」組長・菊地敬吾被告(50)の公判が行われた。

菊地敬吾被告

菊地敬吾被告

 公判の被告人質問で菊地被告は、弁護側の「総裁という肩書きについてどう思う?尊敬すべき人?」との質問に対し、「もちろん、見守っていただけるような存在」–と野村被告への尊敬の念を口にし、「野村被告の工藤會での権限は?」との質問に対し、「権限がないとかではなく、口出しはしません」と答えた。

 2012年4月の「元警部銃撃事件」について、弁護側の「野村被告から指示を受けた?」との質問に「覚えてない」、「田上被告からは?」との質問に「ありません」、「あなたが指示した?」との質問に「ありません」と答え、元警部銃撃事件への工藤會トップ3人の関与を否認した。

 事件の実行役に指示を出したとされる田中組幹部・田口義高被告については、弁護側の「どうして起こしたか心当たりはある?」との質問に「事情は分からない」、「田口被告は指示なくこんなことが起こせるのか?」との質問に「だから起きたんじゃ?」、「指示がないから起こせたのでは?」、「私たちが知れば止める立場にある」と返答した。次の被告人質問は2月3日に予定されている。

 福岡地裁は2021年8月の一審判決で、4つの市民襲撃事件について野村被告を頂点とした工藤會の組織的関与を認定し、総裁・野村被告に死刑、ナンバー2の会長・田上不美夫被告には無期懲役の判決を言い渡した。野村・田上両被告は一貫して無罪を主張し、控訴している。

SNSでフォローする
T