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福岡地裁(丸田顕裁判長)で4日、特定危険指定暴力団・工藤會が起こしたとされる一連の事件のうち、元警部銃撃、歯科医襲撃、女性看護師襲撃の3事件で組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)などの罪に問われた、「五代目田中組」元幹部・中田好信被告(42)の公判があり、検察側は「類例のない凶悪性が際立つ組織的犯行だ」として無期懲役を求刑した。12日の弁護側の最終弁論を経て結審する予定。
福岡地方裁判所
検察側によると、中田被告は元警部銃撃と歯科医襲撃の実行役で、看護師襲撃では実行犯の送迎役とされる。論告では「いずれの事件も自分たちの意に沿わない者を力で屈服させようとする工藤會の論理に基づく。実行役の被告の責任は首謀者に次いで重大だ」と指摘。被告は組織を辞め、組上位者の関与について供述するなど実態解明に寄与したとしたが「量刑上有利な事情として評価するにも限界がある」と述べた。
被告はこれまでの公判で3事件への関与を認める一方、「殺意はなかった」と供述。最大の争点となっている工藤會トップ・野村悟被告(70)ら上層部との共謀は否定している。
起訴状などによると、中田被告は野村被告の指揮命令に基づき、工藤會捜査を長年担当していた元福岡県警警部を平成24年に銃撃、26年には港湾利権に絡んで漁協幹部の親族だった歯科医を襲撃したとされる。野村被告が受診した美容整形クリニックの看護師が25年に刺された事件にも関与したとしている。