兵庫県警長田署捜査本部は、2023年4月に兵庫県神戸市長田区のラーメン店「龍の髭」で、店主の特定抗争指定暴力団・六代目山口組傘下組長が射殺された事件で、犯行に関わった疑いが強まったとして、長野、茨城両県であった2件の発砲事件で逮捕された指定暴力団・絆會若頭で「織田連合」会長・金澤成樹こと金成行被告(55)=別の殺人未遂罪などで起訴=を組織犯罪処罰法(組織的な殺人)に反する容疑で逮捕する方針を固めた。兵庫県警は近く金被告の身柄を移送して調べる方針。
金澤成樹こと金成行被告(55)
「龍の髭」店主の弘道会傘下「湊興業」組長射殺事件
この事件は2023年4月22日午前、長田区東尻池町のラーメン店「龍の髭」で、店主の山口組系三代目弘道会傘下「湊興業」の湊学こと余嶋学組長(当時57歳)が頭を撃たれて血を流して倒れているのを従業員が発見した。余嶋組長の死因は脳幹部断裂による即死だった。
県警が現場付近の防犯カメラ映像のリレー捜査に加え、この人物が乗ったとされる複数の車を押収し、車内の残物を調べるなど精査した結果、金被告の関与が浮上。
金被告は、2020年9月28日、長野県上伊那郡宮田村の飲食店駐車場に停められた車の中で、当時・絆會傘下だった「四代目竹内組」の宮下聡組長(当時48)の脇腹をに発砲し、重傷を負わせた疑いで今年2月に逮捕され、殺人未遂などの罪で起訴された。
その後、2022年1月に茨城県水戸市で山口組系「三代目一心会」傘下「三代目三瓶組(現在は芦川会)」の事務所内で、三瓶組の神部達也若頭(当時40)を射殺したとして、今年4月30日に殺人などの容疑で茨城県警に逮捕されていた。