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名古屋地裁に17日、愛知県内の特定抗争指定暴力団・六代目山口組系三代目弘道会本部長で、「五代目河村一家」の間宮誠治総長が、暴力団関係者であることを理由に「ETCパーソナルカード(パソカ)」を使わせないのは違法だとして、高速道路6社(NEXCO東日本・中日本・西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社)と国を相手取り、会員資格の取り消しが無効であることの確認と、損害賠償を求める訴訟を起こした。
ETCパーソナルカードWebサービス
ETCパーソナルカードはクレジットカードを持たない人でもETCを使えるようにするサービスで、クレジット機能はなく、上限額に応じた保証額を預け、利用した料金は銀行口座などから引き落とされる仕組みで、これまではクレジットカードを持たない暴力団員などにも広く利用されてきた。
間宮総長は、今年2月24日付でETCパーソナルカードの利用を停止され、会員資格が取り消されていた。原告側は、ETCパーソナルカードの利用停止により「高速利用が相当程度妨げられ、今後不可能になる見通しだ」と指摘。公共性の高いインフラから暴力団関係者を排除するのは不合理な差別で、公序良俗に反すると主張している。6社の規約改正などを容認した責任が国にもあるとし、精神的苦痛などの損害賠償として143万円を国と高速道路6社と払うよう求めた。
ETCパーソナルカードを巡っては、これまで暴力団関係者へのETCパーソナルカード交付が利用規約で明記されておらず、暴力団組員と明かして利用を申し込むケースもあった。大阪府警や愛知県警により、ETCパーソナルカードの使用で暴力団員らを詐欺容疑で逮捕しているが、不起訴処分となるケースが多かった。
今年3月から高速道路6社は利用規約を変更し、暴力団関係者の利用申し込みを拒絶。申込時には暴力団関係者でないことの確認も始めた。ETC専用料金所は増えていて、2025年度に都市部の高速道、2030年度ごろに高速道全線を「ETC専用」とする計画。