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2023年7月21日に国家公安委員会が特定抗争指定暴力団・絆會の本部事務所に認定していた、大阪市中央区の5階建てビルが、2024年12月23日付で近隣の中国籍の男性事業経営者に約6千万円で売却されたことが分かった。
売却された絆會本部事務所(四代目織田興業本部)
この5階建てビルは、2011年から絆會の金禎紀こと織田絆誠会長の所有となっていたが、2023年11月に大阪府暴力追放推進センターが近隣住民らの委託を受けて使用差し止めを申し立て、同年12月に大阪地裁が使用禁止の仮処分命令が出され、2024年6月には特定抗争指定暴力団・六代目山口組との抗争激化から暴力団対策法に基づく「特定抗争指定」を受け、組事務所としての使用が二重に禁止される事態となり、絆會側は使用を断念して売却したとみられる。
絆會の本部事務所(主たる事務所)を巡っては、兵庫県公安委員会が兵庫県尼崎市戸ノ内町の旧本部事務所が2021年10月に民間企業に売却されたこと確認し、2023年7月21日に国家公安委員会が大阪市中央区島之内(四代目織田興業本部)の5階建てビルを、新たな絆會の「主たる事務所」と認定して官報に公示していた。
絆會の織田会長は、2015年の山口組分裂で四代目山健組・井上邦雄組長(現・神戸山口組組長)とともに山口組を離脱。四代目山健組本部長として「神戸山口組」若頭補佐に就任。その後、山健組副組長として神戸山口組若頭代行に就任していた。
2017年4月、神戸山口組の運営方針に反発して神戸山口組を脱退し再分裂。ともに脱退した幹部らと共に「任俠団体山口組」を結成して代表に就任し、神戸山口組とも敵対関係となった。2017年8月には「任俠団体山口組」を「任侠山口組」と改称。2020年1月12日に現在の「絆會」に改称した。
2024年2月1日には、山口組傘下幹部への銃撃事件や山口組傘下幹部が射殺された事件で、絆會若頭・金澤成樹こと金成行被告が宮城県仙台市内で逮捕されるなど抗争状態が続いていて、警察は今回の売却を受け、このビルが組事務所としての機能がなくなるかを慎重に見極めていく方針。