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水戸地裁(佐々木健二裁判長)で20日、暴力団を離脱後5年以上たっても銀行口座開設を拒否されたのは不当差別だとして、元暴力団組員の男性(50代)=茨城県内在住=が、みずほ銀行に20万円の損害賠償を求めた訴訟で、佐々木裁判長は、男性の請求を棄却した。
水戸地方裁判所
原告の男性は、2017年5月1日に茨城県警の支援で指定暴力団を離脱して建設関連会社に就職。2023年4月12日に給与の振込先として、みずほ銀行水戸支店の窓口で普通預金口座の開設を申し込んだが、「総合的判断」を理由に拒否されていた。
男性が口座開設を拒否されたのは不当差別だとして、同年4月18日にみずほ銀行を相手取り、水戸簡裁に損害賠償を求めて訴訟を起こし、同年5月26日付で水戸地裁に移管されていた。
全国の金融機関は暴力団組員らのデータベースを整備していて、みずほ銀行に限らず、多くの金融機関では口座開設の申し込みを受けると、自社データベースで過去にさかのぼって反社会的勢力への所属の有無を確認して、暴力団を離脱してから「5年を経過しない者」なども「反社会的勢力」として取引を拒否する事を規定している。
一方で、警察庁や金融庁は2022年2月、暴力団離脱者の社会復帰のため、警察、各都道府県の暴力追放運動推進センターの協賛企業への就労などを条件に、不当に口座開設を拒否しないよう金融業界に周知している。